こんにちは、みゆきです。
歯を失う原因として虫歯や歯周病はみなさん知っていると思いますが、もう1つ大きな原因があるのを知っていますか?
それは歯の破折です。
虫歯や歯周病にならないために一生懸命歯を磨いてきたのに歯が割れてしまい抜かなくてはいけなくなった、と悲しんでいる患者さんをたくさん診てきました。
歯の破折は自分自身の意識で予防することができます。
今回は歯の破折とは何なのか、そして予防方法を説明していきます。
本記事の内容
- 歯の破折とは?
- 歯根破折しやすい3種類の歯
- 歯の破折を防ぐ為に自分でできる6つの予防方法
歯の破折とは?
歯の破折とは文字通り歯が折れてしまう事です。
「硬い物を食べていていつもはしないパキッという音がした」
「最近食べ物がよくつまるようになってその場所を鏡で見てみると歯が割れている(ヒビが入っている)気がする」
このように言われた方の口の中を診てみると歯が破折している場合が多いです。
歯の破折には2種類あり、歯茎からでている部分にヒビが入る歯冠破折と歯茎の中にうまっている根っこの部分が破折する歯根破折があります。
歯冠破折は詰め物やかぶせ物などで治療して保存する事ができる場合が多いですが、歯根破折は割れ方やヒビの入り方次第で保存が不可能になり歯を抜かなければいけなくなります。
歯根破折しやすい3種類の歯
歯根破折しやすい歯とは?
- 歯の神経を取ってある歯
- 金属の土台が入っている歯
- 日頃からくいしばり、睡眠時に歯ぎしりがある
歯根破折は神経がある歯よりも神経を取ってある歯の方が起こりやすいです。
健康な歯の中には神経があり血液も循環しているため歯に柔軟性がありますが、虫歯などが原因で歯の神経を抜いた歯は歯に栄養がいかなくなるため水分も抜けていき枯れ木のようになってしまい破折が起こりやすくなります。
神経をとってもらった後に金属の土台をいれてその上にかぶせ物をしてある歯も強い力がかかるとくさびのような力が働き、土台を支えている残っている歯に負担がかかり割れてしまう事があります。
金属の土台は硬くて丈夫というメリットがありますが、歯質よりも硬く弾力性がないというデメリットもあります。
歯の神経をとる事や歯の神経を取りかぶせ物を作るために金属の土台を入れる事は歯の破折のリスクを高くしてしまうのです。
そして最後は歯ぎしりやくいしばりでの歯根破折です。
歯ぎしりとは睡眠時に無意識のうちに上下の歯をこする合わせている状態です。
成人の噛む力は40~70kgと言われていますが、歯ぎしり時には300kgほどの力が加わると言われています。
くいしばりとは仕事中や勉強中、家事をしている時など集中している時に上下の歯を強くかみしめる動作です。
強く噛みしめた状態が長く続くと歯根破折の原因になってしまいます。
歯根破折を予防する為に自分でできる6つの方法
歯根破折を防ぐ為にできる予防方法
- 神経を取らずに済むように、虫歯予防・早期発見、早期治療に努める
- 硬いものを食べすぎない
- 片方の歯ばかりで食べない 「いつも右ばかりで噛む」など
- 睡眠時の歯ぎしりにはマウスピースを使用する
- 上下の歯が合わさっていると感じた時には歯を離す
- ストレスを溜めすぎない
幼い時には顎の発達の関係で「硬い物を良く噛みなさい」と言われてきましたが、年齢が上がっていくにつれ硬い物ばかり噛んでいると歯の破折の原因になってしまいます。
そしていつも同じ歯でばかり噛んでしまうその歯に負担がかかりすぎる事により同じく歯の破折を招いてしまいます。
さらに睡眠時の歯ぎしりは不安やストレスが原因の1つと言われているので、睡眠時の歯を守るためにもマウスピースの使用やストレスや不安を溜めすぎない事も大切です。
まとめ
歯の破折は虫歯、歯周病に続く歯を失う原因の第3位に挙げられています。
歯根破折の場合は歯茎のなかで起こるため、なかなか気がつかずに重症化してしまうことが多いです。
歯根破折で歯を失わない為には日頃からくいしばり、歯ぎしりなど歯に力をかけすぎない、そして歯の神経を取らずにすむように定期的に歯医者に通い虫歯がないかを診てもらう事が大切です。
永久歯は一度抜けるともう生えてくる事はありません。
そして抜けた歯の代わりに違う歯にその抜けた歯の分の力がかかってしまい、周りの歯にも影響がでてきてしまいます。
歯の破折で歯を失わなくてもすむように歯医者への定期健診や日頃の歯への力のかけ方に気を付けてみてください^^